イコライザ、コンプレッッサーって?
ナレーションの収録する際、また収録後にその声をよりきこえやすくする
作業をおこないます。
その際、使用するのがイコライザ、コンプレッサーです。
今回はナレーションにする使用することを前提に書いておりますので
楽曲制作する際には参考にならないお話かもしれません。
1.イコライザ
イコライザはすでにご存知の方も多いと思いますが、
音色を補正する機能のことです。
上記画像はナレーションに実際にかけたイコライザの例です。
人間の可聴範囲は20Hz〜20kHzといわれており
その中でどの部分を大きくし、どの部分をカットしていくかという作業です。
イコライザはナレーションをする人(男女、声質、読み方等)
BGMとのバランスなど、様々な要素でかける方法が変わってきます。
場合によりますが、私は大体50Hz以下は大きくカットしています。
これは、ほぼ人間の耳では聴こえない箇所であるということと同時に
他の帯域をより目立たせるということを意識しているからです。
さらに、2kHzあたりをブーストすると、より子音が明確になり
それより上の帯域をブーストすると、空気感が出やすいと思います。
ナレーターの声質、作品で求められていることを理解して
効果的にイコライズすることが大事です。
2.コンプレッサー
わかりやすくいうと、声を圧縮して太くする機能です。
コンプレッサーをかけることによって、
BGMなどに負けない太い声を作ることができます。
コンプにはいくつかのパラメーターがあります。
■スレッショルド
このスレッショルドの値を超えた音を圧縮します。
例えば-18dbに設定しておくと、その値を超えた音に
コンプがかかります。
■レシオ
コンプのかかり具合を調整します。
3:1になっていると、スレッショルドを超えた音を
三分の一に圧縮するという風になります。
■アタックタイム、リリースタイム
アタックタイムは設定したスレッショルドを超えた音に対して
どのくらいの時間でコンプをかけるかということです。
この値が小さいほど、すぐにコンプがかかります。
(あまり小さくすると輪郭がぼやけた音になります。)
リリースタイムはスレッショルドを超えた音が小さくなり
スレッショルドを下回った時、コンプを解除するまでの
時間をいいます。
■ゲインリダクション
実際にコンプがどのぐらい音を圧縮しているかを確認するためのものです。
これでかかり具合を確認しながらコンプを有効的に使用します。
私がナレーションでコンプを使う際、注意することは
◯セリフなど雰囲気(空気感)が必要なナレーションには
強いコンプをかけない。
◯BGMが強く、声が負けそうな時は少し強めにかける。
(これも一概にそうとは限りませんが。)
などがあります。
まとめ
イコライザ、コンプはナレーションを作品で使用する上で必須の事項です。
使用する場所(映像、web、ラジオ等)で異なりますが
それぞれの作品に合ったイコライジング、コンプレッションを
おこなうことで、出来上がった作品に大きな変化をもたらします。
例えばラジオCMであれば、
聴くのは車のラジオやスマホ、またはラジカセなど
聴き手や、聴き手の環境を意識した音(声)づくりが必要になります。
(ちなみにラジオCMでは高音を際立たせて、低音をカット
コンプも強めにかけることが多いです。)
これらの使い方は正解というものがありません。
ある程度の知識は必要ですが、その後は使いながら覚えていく技術かと思います。