アナログ機材を再現するプラグインの話
みなさんご存知の通り、今のレコーディングではDAWは欠かせません。DAWとは、デジタル・オーディオ・ワークステーションのことで、ProToolsを始めとするコンピューター上で音の制作ができるソフトウェアです。
DAW上では、かつて一世を風靡したような定番の音響機材や、導入が容易でない様な高額な機材など、様々な実在の機材がソフトウェアでプラグインとして再現されています。
機材をソフトウェアで再現
例えば、ProToolsを買うと当たり前の様についてくるプラグイン「BOMBFACTORY BF76」は、購入すると1台で20万以上ははするであろう「UREI 1176LN」コンプレッサーを再現しています。
かつては必要な数だけ実機材を用意しておかなければいけませんでしたが、プラグインではいつでもどこにいても好きな数だけ使い放題です。今では当たり前のことですがこれは凄いことですね。
ほんの少しお金を払えば、こんなものもあります
ビートルズの名曲のほとんどが録音され、スタジオ前の道で撮った写真がアルバムのジャケットになったことでも有名になった、ロンドンのレコーディングスタジオ「Abbey Road Studio」。そのスタジオ機材の数々そのものを再現するプラグイン。実際の機材を綿密に計測してモデリングしているそうです。
遠く離れた地にある世界で一番有名なレコーディングスタジオの機材が、大阪にいながらにして使い放題なのです。写真は「REDD」というコンソールを再現したプラグイン。
マイクも再現
実際の機材に比べて、場所もとらず安くて便利なプラグインの数々。次から次へ新しいものが発表されていき、その度に驚かされます。
当初は「ミックス」段階で使うものがメインだったように思いますが、マイクプリアンプの再現を行う、「Universal Audio」のUnisonテクノロジーといった「収録」段階で活躍するようなものも出ています。
極め付けは、Slate Digital Virtual Microphone System
http://slatedigital.com/virtual-microphone-system/
マイク本体、マイクプリ、プラグインをセットにしたシステムによって、複数の高価な有名マイクの音を、シミュレートしてしまうというものです。(私は使用したことはありませんが)
例えば、今のJ-Popでもよく使われている、高価な「Sony 800G」であったり、ビートルズも使っていたビンテージの「Neumann U47」など手に入れることすら困難なマイクも、このシステムひとつで簡単にそのマイクの音で録れるということらしいです。
こんなものも
あらゆるアナログ機材が、DAWで再現されている昨今。実機材に触れる機会も減ってしまっていますが、普段だと絶対使えないような機材を、画面上であっても触れることはやはり楽しみです。
こんなものもあります。
Waves The King’s Microphones
http://www.waves.com/plugins/the-king-s-microphones
英国王室で、国王ジョージ5世、6世、そしてエリザベス女王のために作られ、特別なスピーチにのみ使用されたというマイクを再現したソフトウェア。この実物はどんなにお金を積んでも絶対手に入りませんね。このプラグインを手に入れれば大阪でも王様気分で収録ができます。
シードアシストでは、王様マイクのご準備はありませんが、U87Aiなどこだわりの機材を用意してお待ちしております。
ナレーションはシードアシスト。