音楽の情緒 キー篇
今回はキー(調性)についてお話したいと思います。
そもそも「キー(調性)」って?
各音が一定のルールに則って
メロディーや和音を構成している音楽を
調性がある音楽=調性音楽 と呼びます。
ルールはいろいろあるのですが…
その1つを前回のコラムで書いていますので
ご参照くださいませ。→「音楽の情緒 スケール篇」
一般的に広く聴かれている音楽というのはほとんどこの調性音楽で、
メジャー(長調)やマイナー(短調)が聴くだけで判断できます。
移調とは
移調とは、ある曲の音程関係を変えずに
そっくりそのまま他の調(キー)に移すことです。
頻繁なのはやはり歌曲でしょうか。
人間の声は体格などによって音域が変わってくるため、移調する場合が多いです。
カラオケで「高くて歌えへんからキー下げて!」というのもよくありますね。
わかりやすく1オクターブのスケールを例に出します。
CメジャーからDメジャーに移調する場合、
鍵盤であらわすとこうなっています。
実際の音がこちら。
【Cメジャー】
ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド
【Dメジャー】
レ ミ ファ# ソ ラ シ ド# レ
音色は違いますが、音程関係は同じ1オクターブです。
同じメロディラインでも雰囲気が違っていて面白いです。
キーが変わるとイメージも変わる
もっと具体的な曲で試してみましょう。
移調すると、演奏方法が変わるだけではなく、楽曲そのものが持つ性質も変わります。
こちらをお聴きください。
【アイネ・クライネ・ナハトムジーク/W.A.モーツァルト】
原曲はGメジャーですが、こちらを移調してみます。
Eメジャーに下げてみました。
パッと明るい感じの原曲に比べて、ちょっと落ち着いたように聴こえませんか?
同じメジャーでも、力強かったり、繊細だったり、奥が深いです。
メジャーとマイナーを変えると変化はもっと顕著です。
G#マイナーにするとこんな感じ。
強めのボスが出てきそうですね。
3つともメロディの並びはそのままです。
(メジャーとマイナーは音程関係は少し違いますが)
キーを変えるだけでも色々な表現につながります。
いろいろ変えてみました
せっかくなので、
もっと強いボスが出てきそうな感じにしてみました。
キーをC#マイナーに変えた他、
ちょっとメロディを変えたり楽器を増やしたりハーモニーを足したり…
このあたりは、また別のコラムで詳しくお話しできればと思います。
ちなみにこの音源は敏腕エンジニアの松嶋さんが
ラスボスっぽく壮大になるようにMIXしてくれました。
ぜひヘッドフォンだけでなく、スピーカーでも聴いてみてください!