音楽の情緒 スケール篇2
これまで紹介してきた音楽のルールは、主に西洋音楽のものでした。
現在 広く親しまれているポピュラー音楽は
この西洋音楽のルールに則っているものが多いですが、
今回はそんな西洋音楽以外のルールに少し触れたいと思います。
日本音階
聞いてすぐ「和風だな」と思う曲、ありますよね。
こんな感じの。
なぜ和風に感じるのでしょう?
箏や尺八のような和楽器の音色が理由でしょうか?
もちろんそうです。
が、実はスケールにも秘密があります。
こちらが今回のサンプルに使ったスケールで、
大きくは「日本音階」と呼ばれます。
ただ1オクターブ聞いてみるだけでも和の感じが漂いますね。
聴いていて和風に感じる曲というのは、
このスケールが使われている場合が多いです。
ちなみに先ほどのサンプルはある楽曲を元にしていますが、
おわかりでしょうか?
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正解はこちら。
W.A.モーツァルト作曲「トルコ行進曲」です。
ぜんぜん和の楽曲ではありません。
スケールが違えば簡単に音楽性が変わることを感じていただけたでしょうか?
琉球音階
もうひとつ、メジャーな民族音階をご紹介。
沖縄県周辺などで馴染みのある、「琉球音階」です。
これをもとに、同じくトルコ行進曲を沖縄音楽っぽくしてみます。
どうでしょう?
はいさーいという感じでしょうか?
沖縄の音楽はスケールの他にも、
跳ねるようなリズムが特徴ですね。
まとめ
音楽を聴くと、
明るい、楽しい、暗い、悲しい、などのニュアンスだけでなく、
文化や歴史を感じることができます。
たとえばラジオCMを制作する際、
わかりやすい原稿、ナレーションはとても大切ですが、
それに並んで大切なのがBGMです。
琉球風の音楽を使えば
「沖縄に来ました!」などと言わずとも、
BGMを一瞬聴くだけで、舞台は沖縄のあたりなのかな?と
リスナーに想像してもらうことができます。
目に見えないからこそ、音のアプローチの可能性は無限大です。